もう何もシャンベルタン

2月28日は、結婚記念日だった。
(入籍日ではなく、結婚式の記念日だが、ダッフルさんのお母さん
 からのお祝いメールなどもこの日にくるので、結婚記念日は
 こちらという意識が出てきた)


もう結婚式を挙げてから丸2年が経った。
3年目に入った。


当日は平日だったが、その前日の日曜日、
実はすっかり忘れていて、ダッフルさんは仕事に、
私はマスクをして完全防備で部屋の大掃除をしていた。
主にクローゼットとタンスの中を掃除(というかそれで終わった)。
ごっそり捨てた。服も何もかも。
思い切って、ずっと頭にあった「CDのケースの破棄」も実現した。
狂ったように捨てまくった。
合計、ゴミ袋6つ分。


その途中に、姉から「おめでとう、明日だね」というメールが来た。
そこで「あ!」と思った。
掃除が下手な人特有の、「なぜかより散らかっている」状態になっていた掃除の終盤。
たそがれた。


夜は急遽、昨年父からプレゼントしてもらった赤ワインをあけて
乾杯した。それはジュヴレ・シャンベルタンで、これが出てきた
ドラマ「王様のレストラン」第1回のシーンが話題に。
ダッフルさんは一瞬覚えていないようだったが、私が
「ほら、嫌なお客が、おれはシャンベルタンが飲みたいんだ、
 持って来いって言ったけどソムリエの大庭さん(白井晃)が・・・」
と言い出したら、「ああ!」と思い出していた。


でも私はほろ酔いで興が乗ってきていたので、そのシーンを
全部説明しなければ気が済まなかった。
「そうやって高い酒を飲ませるんだ、お前らの魂胆はわかってるんだ」
「お言葉ですが、シャンベルタンのほうがよっぽどお高くて・・・」
「俺の飲んだシャンベルタンはそんなに高くなかったんだ!」
「あ、それはジュヴレ・シャンベルタンでございますね・・・」


そうやって落語家みたいに説明している私を、ダッフルさんが
苦笑いで、でも止めずに優しく見守ってくれた。
(もうわかったのに・・・という顔)
それはそれで良い結婚記念日の前日祝いであった。

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もうすぐ『朝びらき丸 東の海へ』を読み終わる。
「朝びらき丸」って、すごく良い名前だなあ。


この本の中に「朝まだき」って言葉が出てくるが、
この言葉もとても良いと思う。
朝っていいな。

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この間実家に帰ったら、姉がチョコレートのお菓子を
私へということで置いていってくれたので、いただいて帰った。
とてもおいしく、ダッフルさんと食べた。


お菓子には、姉の作ったメッセージカードが添えてあって、
かわいい上にとても小さくて(切手大)、ときめいた。
うれしかった。たぶんこのコラージュはピンセットでやったと思う。


姉は私の結婚式のウェルカム・ボードも作ってくれた。
そのときもピンセットで作業したと言っていた。
さすが、ピンセット使いの姉。
姉は小学生くらいのとき、よくスーパーやレストランのチラシの
食べ物の写真を切り取って、好きなメニューをコラージュしていた。
そのピンセット魂よ、永遠に!