いやだった


夜寝る前、息子を抱っこしながら
娘のおしゃべりを聞く。
突然、幼稚園のいやだった話になり、
年少のときに、自分が作った泥団子を
他の組の子に見せたら壊されちゃった
という思い出を話してくれた。
「ガラクタ(工作)とお団子は壊しちゃダメ!」
とのこと。
その子、うらやましかったのかもね、と言いつつ
そうだよね、お友達が一生懸命つくったものを
壊しちゃうのはダメだよね、と言ったら
納得したような顔だった。


そういう、ふいに飛び出てくる古い怒りの
ようなものってあるよなあ、
聞いてあげられて良かった、と思う。
そういう場面、些細なことても
親としてはキュンとするけど(過去なら特に)
そんな理不尽な体験をたくさん
経験できることも、貴重なことだよな、
と思った。


息子は、笑ったり、あーうーとお喋りしたり、
母の服をつかんだりするようになった。
息子もこれからいろんな経験をするんだろうな。
大変だけど、赤ちゃんの息子を抱っこして
いられる今を、数年後には貴重な時間だったと
思うんだろうな、と考えるだけで切ない。
息子のおでこの、あぶらっぽい匂いが好き。


授乳で起きた深夜は、
なんだかいろいろ考えてしまう。
息子よいいかげん寝ておくれ。