姉の結婚


姉が結婚することになり、
連休中、両家顔合わせの席に
私も呼んでもらったので、出席してきた。
ご家族みな良い人そうで、良かった。


姉と、結婚準備について話すことが
多くなった。その中で、
そうだ、姉はあんまり物事をしっかり
覚えていない人だ、ということを、
なんとなく思い出してきた。


結婚式の話になり、姉が
「両親への手紙読むのとか緊張するよね〜。
でもモチコが結婚式のとき手紙読んだかどうか
全然覚えてない。たしか読まなかったよね」
と言っていたが、私は自分の結婚式で
手紙を読んだ…
しかもそのとき、姉はかなり泣いていた…


昔から姉はそんな感じだった。
でも、それはなぜか別に腹をたたせる
ものではない。それどころか、
不思議と痛快なものだ。


そのあと、母と姉と私の3人で、
私たちが小さい頃に母の友人の家に
泊まりにいったときの話をした。
手土産のお菓子を電車の吊棚に忘れ、
慌てて買い直したんだよね、
あれ何のお菓子だったんだろうね~
などと話していたとき、姉がまっすぐ、
鋭い速さで、
モロゾフのチーズケーキだよ」
と言い放った。そして、
「あの当時、モロゾフはこの近辺には
○○駅と○○駅の●●店にしか
なかったから、そのどっちかで
買ったはずだよ」
と、矢継ぎ早に続けた。
あのとき、姉はまだ小学生だった…
と思いながら、やはり思い出した。


姉は、食べ物のこと、食べ物のお店のこと、
その他、自分が好きで興味のあることには
たいそう詳しく、かつ情熱的に記憶できる、
ということを。
それもまた、痛快なものだ。


どうか、ずっと仲良く、痛快に、お幸せに。


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忘れかけていたが、だいぶ前に。
娘に、ダッフルさんと私の結婚式のときの
集合写真を見せて、お喋りしていたときのこと。
ニャンニャンいた!」
と指さすので、え?と思って目を凝らすと、
確かに猫がいた。ダッフルさんの腹のあたりに。