所有権


リフォームのための打ち合わせ。
ところどころではあるが、
それでもやることがたくさんある。
今思うと、これまでの賃貸暮らしは
旅館やホテルに住むみたいな
気軽さ、居心地の良さがあったのだな。


娘は新居の、小さくて、とりたてて
特徴もないエレベーターに乗っただけで
「わ〜!すてき〜」
と喜んでいたので…まあ良かった。
彼女にとっては、押し入れで座敷わらしのように
かくれんぼしたり、家中走り回ったりして
遊べる、まだ何もない今がいちばん
「楽しいすてきな家」
なのではないだろうか…
いや、そうならないよう頑張りたい。


帰りに、帰省中のAちゃんにバッタリ会い、
ニャンちゃんにも会えて嬉しかった。
娘も大喜びしていた。
帰ってからも
ニャンニャンいいこいいこしたね〜」
と何度も言っていた。
昔、浴衣の着付けをしてもらったり、
遊んでもらったり、いろいろお世話になった、
Aちゃんのおばあちゃんにも会えて嬉しかった。
ちょうど90歳の誕生日!で、しかも
90本のロウソクがちゃんと用意されていて、
なんて素敵な家族なんだろう…!!と
胸をいっぱいにしながら帰った。
あんな家庭を作りたい。


雨上がり、公園の桜が満開になっていた。



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最近の娘、物の所有権について厳しい。
私がダッフルさんのパーカーを借りて
着ていると、
「おとうさんの!」
と必ず言う。
「おとうさんが、どうぞ〜っていったのね」
などと言われるが、勝手に着ているとは言えず、
そうだよ〜どうぞ〜って貸してくれたのよ〜
とゆるく答える。


食器やクッション、タオルなど、
特に誰のものと決まっていないものでも、
以前使っていたのを見たときと別の人が
使っていると、注意して、
時には変えさせたりする。


ひなまつりのときに、遊びに来てくれたばあばが、
我が家にあったエプロンをしていたら、ひどく怒った。
ばあばは謝って脱いでいたほど。
泣きながら娘は「おとうさんの!」と叫んでいた。
そう、私はズボラのため、あまりエプロンはしない。
主に、洗い物をするときにダッフルさんが
着用している…
しかも、もともとそのエプロンはばあばが
くれたものであった…
小花柄で、フワッとした形のかわいいデザインの、
我が家唯一のエプロンは、父親専用となった。