5ヵ月半・ひよこぐみ


娘は5ヵ月半。
最近、物を見ると積極的にすぐ手を伸ばすようになった。
物を見てからそれに手を伸ばすまでの、微妙な間が好き。


先日、娘を連れてダッフルさんのお兄さんの結婚式に出席した。
ここ何ヶ月か、心の隅でずっと心配し続けていた日だったが、
なんとか無事に乗りこえられてホッとしているところ。
それどころか、連れて行ってよかった、と思う。
みんな喜んでくれてうれしかった。


結婚式って本当にすてきだな。
今でも思い出すと、心があたたまって幸せな気持ちになる。
自分の結婚式の次の日みたいな気持ちになる。
お嫁さんはとてもきれいで、すてきだった。


披露宴が終わったときには、娘は疲れて泣き続けていたが、
近くのテーブルに座っていた1歳4ヶ月の男の子を連れた
お母さんが、
「もう終わったもんね、いっぱい泣いていいよ!!
 わーい!泣け泣け〜!!」
と、手を大きく広げて娘に言ってくれたので、
本当にそうだなと思った。
すてきなお母さんだった。


ダッフルさんのお父さんは、娘をずっと抱っこしてくれた。
こちらに娘を渡すとき、
「たぶんオムツ変えた方がいいと思う」
と教えてくれた。
実家の父も、よく
「私の勘では、オムツだね」
としたり顔で教えてくれる。おじいちゃんって似るんだなあ。

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初めての風邪で、鼻づまりと格闘中の娘。
予防接種も離乳食スタートも延期して、ちょっと一休み中。
落ち込んでいる(落ち込んでいなかったが)私を励まそうと、
実家の父が、私が0〜1歳のときの保育園での連絡ノートを
引っ張り出してきて、くれた。
私は5月生まれで、次の年の4月に入園したので、
11ヶ月くらいからの1年間、毎日家と園とでやり取りした
カードが綴じてある。すごいボリューム。
お休みの日も毎日書いてある。
働きながら毎日これを書くって大変だよな・・・と思う。
父や母の字が、汚くて読めないときもある。
でも読んでいてとても面白い。食事内容や睡眠時間、排泄や
入浴、病気や薬の記録も書いてあり、このくらいの月齢に
なったら、こういう感じになるのかなと思ったり。


でもいちばん楽しいのは「子供のようす」の欄。
園生活と、家庭生活と、それぞれ書いてある。
その日はどういう機嫌だったか、どういう遊びをしたか、
そして何ができるようになったかなどが、丁寧に書かれている。


ある日の家庭での様子では、


「(私を)ボール箱に入れて、紐をつけてお姉ちゃんが
 引っ張って遊んでくれました。
 『えー子供はいらんかねェー 30円だよ
  小さいのは1円だよー』
 と動き回ると、大喜びでした」


と書かれている・・・。
お金のかからない上に、ステキな遊びだな・・・と思った。
こういうのを見ていると、これまで全く積極的に考えて
いなかったが、兄弟姉妹ってとてもいいものなんだなと思う。


ある日の園での様子では、


「けいくんが食べてる側へ来てぱっと洋服をめくり、
 お腹を出し、指でお腹を指し見せていました。
 大きなお腹を見てけいくんはびっくり・・・」


と書かれている・・・。
食事中に来られて、お腹見せられても、
さぞやけいくんは迷惑だったことだろうなと思う。


まだ途中だけれど、読み進めていくのがとても楽しみ。
こういう記録を、実家の父はわりと大事にとっておいてくれていて、
小学校になったときの学童保育でのノートも全部ある。
何度か見返したことはあったが、0歳児のものは初めて見た。
これを読んでいて、ふと
「あー、こんなことやったんだー。
 ダッフルさん帰ってきたら教えよう。きっと喜ぶな」
と思ってから、
「間違えた、これ娘じゃなくて私のことだった!」
とハッとすることが何度かあった。
不思議な感覚だった。
自分が0歳児だったことも、自分の子どもが同じ道をたどることも。


これから1歳前後になると、こんなに面白いんだ。
それを今からわくわく楽しみにしている。


それにしても、両親は働きながら本当によく育ててくれたと、
親になった今あらためて、というか本当の意味でしみじみ感謝する。
ノートを見ると、私は月に3回も風邪をひいている・・・
ポリオワクチン接種で休みをとったのに、
熱出して行けなくなっている・・・
夜中に何度も起きている・・・
そういう1つ1つを、感謝のかわりに私も受け止めよう。
娘の1つ1つを、受け止めようと思う。

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同じ「連絡ノート」のある日の園生活で、


「小さい子が食事をしている間、Aちゃんと2人で遊んで
 いました。おもちゃを棚からモチコちゃんが取ると、
 Aちゃんも欲しくて手を出すと「いや」とばかりに
 おもちゃを後ろへ隠してしまいました。
 2人並んで遊んでる姿かわいかった」


と書かれていて、ほのぼのした。
なんかこういう、後ろから見つめてくれている視線っていいな。
こういう視線を背負って大きくなれたことに感謝する。
私も娘の背中に、熱い視線を送ろう。


そしてこのAちゃんは、この春めでたく結婚した。
夏の結婚式に、招待してもらえた。ありがとう。
しみじみする・・・
まだ言葉を離せなかった頃からの友、Aちゃんの
花嫁姿を見るのが今から心底楽しみだ。
本当に本当におめでとう!


そしてその日は、おそらく初めてダッフルさんが
食事や入浴や寝かしつけを1人でやる日になるだろう。
どんなことになるんだろう、とドキドキするが、
何とかならないことはない、とそう思う。
子どもを育てていくのは、この
「何とかなる」
ということを何度も繰り返し実感する歳月なのではないかと
少し思ってみたりする。

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先日、ママ友(ひまわりママと呼ぼう)が、
旦那さんのおばあちゃんちの庭でとれたというタケノコを、
大きいの3本おすそ分けしてくれた。
もらってすぐ茹でて、3日で食べきった。
タケノコご飯を2回、炒め物、煮物、おみそ汁。
タケノコ三昧の日々。幸せだった。


タケコノを茹でるとき鷹の爪を入れるのは、
風味付けの意味もあるらしい。
そう考えたら、今までどうして入れるのかなんて
これっぽっちも考えたことがなかった。


ひまわりママは、メールで
「タケノコ入り肉団子作ろうと思ったけど、
 子どもの機嫌が悪いから、炒め物に変更した」
と言っていた。
うちは最初から炒め物の予定だったので、羨望のまなざしを
メールに送った。

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この間まで、お風呂に入れておっぱいをあげたら
そのまま寝てしまった娘だが、ここ数日は暑いからか
リズムが変わったのか、しばらく寝られずにいる。
おっぱいの後、布団におろして、部屋を暗くしたまま
ボーっと2人でしばらく過ごしてから、
再び寝かしつけに入る。
そのまったりした時間に、ふと窓を見たら、
夕焼け空と、電線と、カラスが飛んでいくのが目に入った。
カーテンは風に揺れてて、日が長くなったなあとしみじみ。
そしてこのひと時は、きっと私の人生でとても大事な期間
なんだろうなあと、ふと思ったりした。

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先日、娘が寝た後に2人で夕飯を食べていたら、
ダッフルさんが
「よく考えたら、あの子の5ヶ月の姿が見られるのは今だけなんだよな」
と言った。確かにそうだよなあと思う。
「そうだよ、3ヶ月のあーちゃんはもう戻らないんだよ」
と言って、2人でしみじみした。
そして、新生児のときどのくらい小さかったか、というのを
そのときの大きさの抱っこと、今の抱っこの形をやり比べて
見せ合った。


こういう2人の時間も、もう戻らない大事な時間。
そういう時間は、きっとこれからもたくさん訪れる。