朝が来た
11月30日、20時32分に、出産した。
女の子だった。
帝王切開の手術を、母子とも無事に終えることができた。
そして22日間の入院生活が明日で終わる。
その間一歩も外に出ていないので、
どのくらい寒くなっているのかがわからない。
お見舞いに来たダッフルさんが、ダッフルコートを着ていた。
暑がりのダッフルさんがコートを自ら着ていたので相当だ…
あんなに不安だったのに、
今は体の痛みも癒えて、
となりには娘が寝ているなんて、
この子が自分のお腹にいたなんて、
本当に不思議だ。
時が経るとは、なんて不思議なことなんだろう。
とにかく、ダッフルさんと私と、そして娘には
無事に最初の朝が来た。
朝が来たということは、何かが始まっているということ。
その始まりを怖れたり、楽しみにしたり、どちらにしても
それはとても幸せなことだ。
仲良くなった調理師のおばさんが、
「明日のおやつはコーヒーババロアだよ!」
と言ってくれたのだが、明日退院すると言ったら
とても残念がってくれた。
私も残念だ。
でも、久しぶりに家に帰れることも嬉しい。
12月の外の空気は、どんなに冷たくて、どんなに
気持ちいいだろう。
娘はどんな顔をするだろう。
一緒に家に帰れて本当に良かった。すべてに感謝している。