恋焦がれる

6月に、友人MとRと一緒に久しぶりにジブリ美術館へ。
本当に久しぶりだったので、蔦が生長しているなあ・・・と思った。



私が、チケットを予約していた1ヶ月前からずっと
「私、食べるから!」
宣言していた通り、ふぞろいイチゴのショートケーキを食べた。
やっぱりおいしい。



しかしその前にホットドッグと、はらぺこさんのドライカレーを
もりもり食べていたので、まさかの食べられない事態になりそう
だったが、
「後悔するなら食べて後悔を!」
という皆の励ましで(?)食べて、そして後悔しなかった。
嬉しかった。



カレーの盛り付けられたトトロのお皿は、本当にかわいいから
いつか買いたいと思っている。


土星座で上映していた映画は、「たからさがし」。
中川李枝子、大村百合子の絵本が原作。
宮崎駿が企画・構成を手がけた作品。


9分の短編だが、見ているうちに胸が熱くなって泣きそうに。
実験的にアニメでは通常やらない動きなどをキャラクターに
させている、という説明があったが、実際に子どもがやりそうな
動きが細かくアニメーションで再現されていてぐっと来た。
そして腹の底からなんとなく笑いがこみ上げてきて幸せな気分に。
とにかく素晴らしい作品。
この作品全体が幸せだ! と思った。


終わったあと、席を立って出るときに、泣いたのが照れくさいので
「なごんだねー」
とMに言ったら、Mが
「私、何でかしらないけど泣きそうになっちゃった」
と言ったので、
「わ、私も!!!私もだよー!!!」
と興奮して感動した。


Mとは長い付き合いだが、細かいところから大きなところまで
だいぶ違いがある。でも何か深いところでこうして共通している
ことが多く、それはとても心強い。いつもそうして心がしっかり
踏み固まる瞬間が、会うと必ずある。


そしてRとはそういう共通部分もほとんどないが、
それはそれで本当にナイスだ、それでいてほしいと心から思う。
2人とも大好きな友達。


それにしても、あの絵本をこうやって映画にするって
とてもすごいことだなあと心から思った。


そしてこのときの特別展示が、「ねこバスから見た風景展」。
これを目当てに行ったのだが、ついに私たちは30歳にして
(Rはまだ29歳だが)、ねこバスに乗車した・・・。
感無量で3人とも無言で毛をなでつづけたのであった。
小学生たちが、少し座ってすぐに出て行くのを見て、
「あの子達とは、感動の重みが違うよね・・・」
「何十年思いを募らせたことかね・・・」
「常設のねこバスには大人は乗れなかったしね・・・」
としみじみと毛をなでつづけてつぶやいていた。
本当にうれしかった。
ねこバスの窓外からは、夕暮れ時の景色が見られた。
きれいでしんみりした女たち。


この展示では、他にもいろいろなジブリ映画に出てくる場面を、
映画のセットのように再現して展示してあった。
千と千尋の神隠し」で、両親が豚にされたあの料理屋の
カウンターに座ったとき、目の前に例の肉(鶏?)があり、
お箸もあったので迷わずつまんだ。興奮が最高潮になって、大声で
「このお肉、やわらかいんだよね!すごく!」
と叫んでしまった。


心が揺さぶられた1日であった。
こういう日が来るということは、恋焦がれた日々があってこその
ことだ。だからこれからも、恋焦がれる日々を持つということは
大事だとつくづく思った。


屋上の夾竹桃が、目が覚めるくらいきれいだった。