コーヒーおかわり

うさぎのミミリー (新潮文庫)

うさぎのミミリー (新潮文庫)


久しぶりに庄野さんの本を読んだ。


そうしたら、読みはじめたとたんにワクワクして
堪らなくなった。
最近ずっと、空想のお話を読んでいたから、
日常生活のお話が新鮮に感じたのかもしれない。


庄野さんの本は、生活のありふれた出来事が
書かれているのに、どうして他の人の書くものや
日記などと違うんだろう、と今でも不思議に思う。


めんどくさがりの私は、毎日の生活に怠惰になりやすいが、
庄野さんの書く、けして特別なことはない生活の描写に、いつも
ワクワクさせられる。
きっと、生活の中のひとつひとつが、
実はこうなんだよ、こうしてあるんだよ、と
はっきり見えているからだと思う。


ジブリの映画「おもひでぽろぽろ」はかなり好きだが、
高畑勲監督はこの作品で徹底的に追求したリアリズムについて、
「実写だとよく見ないが、それがアニメーションで克明に
 再現されていると、人は必然的に観察してしまう」
というようなことを言っていた。


庄野さんの本の不思議も、そういうところがあるのでは
ないかと思う。
ひとつひとつがよく見えてきて、浮き彫りになる。
観察する。
だから私は、やっぱりずっと庄野さんの本を読み続けて
行きたいと思う。それが嬉しい。

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会社では、自然光で仕事をすることがすっかり毎日の普通に
なってきた。
お昼は、最近気に入っている山羊のチーズとほうれん草のパンを
食べながら、窓辺から外を眺めた。
少し青葉が出てきたいちょうの木に、カラスがとまるところを見た。


最近のいちょうの葉を見ると、うまれたてだが、ちゃんといちょうの葉の
形になっている。でもものすごくミニ。ぐっとくる。

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今週末にも、おじいちゃんに会いに行く予定。