腹を見せる

先日、ダッフルさんの実家に遊びに行った。

お正月に訪問できなかったので、今年初めての挨拶となった。
バレンタインに近かったので、ダッフルお父さんのために
アップルパイを持っていった。
そう、このためにここ数日アップルパイを焼いていたのだった・・・。


ダッフルお父さんは趣味がお料理で、仕事を定年退職してからは、
毎年いろいろな料理教室に通っている。
もういろいろな教室に行き倒して、今は行くところがなくなり
洋菓子の教室に通っていると言う。
そしてなんとこの間、アップルパイの回で最高においしいのを作った
ということだった。


もう来年から、手作りプレゼントをいい加減あきらめようと思う・・・。


いつもながら、またとてもおいしいお料理をたくさんいただいた。
ダッフルお父さんの作るコンビーフの生姜煮(おつまみに最高)、
豆の煮物(ダッフルお父さんは豆を煮る名人)、お芋の甘露煮、
ダッフルお母さんの煮豚、サラダ、蟹グラタン、
そして良い香りのいちご飯(ウニとアワビと炊いたもの)、
おいしい白ワインも出してくれて至福のとき


私がダッフルお父さんに
「私お芋を煮ると、いつも皮がはがれちゃうんですけど、
 どうしたらいいんでしょうかね・・・?」
と言ったときのダッフルお父さんの悲しそうな顔が
今でも忘れられない。


ダッフルお父さんは、今度はチュニジアに行きたいそうだ。
チュニジアの場所を
「イタリアに蹴っ飛ばされてる」
と説明していてわかりやすかった。


ダッフルお母さんは昔、大学図書館の司書をしていて、
今はボランティアで読み聞かせなどの活動もしている。
その話を少しできて楽しかった。
用意していった本も、たまたま来た子どもの年齢によって
読めたり読めなかったりするという話。


もっと、ダッフル父母に甘えたいという気がしてきた。
不思議なことだ。
優しくしてくれて本当に感謝する。
今回も何も手伝わず・・・。
ダッフルさんのお母さんのお祖母さんのものだという
雛人形が飾られていてとてもとてもきれいだった。
着物の刺繍もすばらしく、ほんわりした良い表情だった。
ダッフルさんと二人で褒めて帰る。


ダッフルさんのお父さんは、歌うように喋る人だなあと思う。

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■テンちゃん

父がこのごろ頻繁に、テンちゃんの情報をくれる。
私の実家近くにいる野良猫のテンちゃんの様子は、
あちらに行ったときにしか窺えないのでとても助かる。
写真も送ってくれる。
とにかく、冬を越してくれそうで本当に良かった。
夏と冬が終わるときは、いつもホッとする。
だいぶお年寄り猫になったけど、これからも元気でいてほしい。
それにしても、たくましいなあ。

ずっと前の日記を読み返していたら、
初めてテンちゃんの写真を撮ったという日があって、
それが7〜8年前のことだった。


テンちゃんは私に気を許さない。
でも、テンちゃんの縄張りの前にある小料理屋の女将さんには
一転してメロメロだ。この間観察しているときに女将さんが帰って来ると、
ひっくり返って腹を見せていた。私には腹を見せたことがない。
その態度の変わりように、グッと来た。
そしてひっくり返って腹を見せているのに女将さんがとくに
関心を示さなかった一部始終を静かに確認して、またもとの体勢に
静かに戻った、とくに気にしていなさそうなテンちゃんにもグッと来た。


 私のとき
 女将さんのとき