紹興酒

週刊文春に、ブルボン小林の『マンガホニャララ』という連載がある。
いしかわじゅんと週交代でやっている)


先週の回(学研の新「ひみつシリーズ」についての回)を何気なく
読んでいたら、なぜだか知らないが急にぐっときて、ジーンとして、
ほろりとしてしまった。
生理前だからと思うが、こうやってふとしたときに感情がいっきに
流れ出すからびっくりする。
困ることもたくさんあるが、この時期はなんとなく自分の人生を
倍生きているような気さえする。


何はともあれ、この連載が好きだ。

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■驚く夜

この間、背番号30番女史とタコライス女史とお母さん女史と
集まって、ご飯を食べた。
予想していた会話と180度違った内容の話をきき、
あんぐり口がふさがらなかった。
驚いた。
でも、みんな結局たくさん笑って楽しんだ。


前に働いていた会社の同僚なので、現在の会社の近況を
きいたりしたが、そういうときはなんとなく遠い景色を眺める
ような気持ちにさせられる。


以前の仲間たちは、みんなハイスピード。
笑ったり泣いたり怒ったり思い込んだり楽しいことや悲しいことを
見つけたりするのを、ものすごいハイスピードで走りながら続けて
いるような感じ。なのに全く息が切れていない。
そんなふうにみんなと夜を過ごして、帰るときは
不思議な気持ちになる。
ちょうど、歩く歩道を降りた瞬間に良く似ている。



■猫を思い出す

新婚のM宅に、Rと遊びに行く。
かわいらしいお家だった。
だんなさんが前から飼っているという猫にもあった。
飼い猫をこねくりまわすという感覚が久しぶりだったので、
なんだか猫を思い出したという感じだった。身悶えた。


猫と遊んでいたら、Mが

「よかったねー、いっぱい遊んでもらえて」

と言っていた。
飼い猫や飼い犬が誰かに遊んでもらっているとき、
かなりの確率で飼い主はそう言うと思う。
そしていつもその「よかったねー」をきくと、
なぜか一瞬だがしょんぼりとした気持ちになる。
「飼い主と飼い猫」「かわいがる人」というふうにわかれて、
見えない壁ができているような気がしてしまう。


どうして飼い主は飼い猫や飼い犬に(子どもにも言う)、
「よかったねー」というのだろうか。
その後、自分の家の生き物、パーちゃん(観葉植物のパキラ)に
ダッフルさんが水をあげたあと、
「パーちゃんよかったねー」
と言ってみた。
すると、ダッフルさんにもパーちゃんにも
均等にいとおしい気持ちになった。

なんとなくそれで急に「よかったねー」を
納得したのだった。




Mの家では、手作りのカレーと、豚の角煮と、サラダをいただいた。
おいしかった。
Mは、生協を活用しているという。
私も興味深く思ったのだが、おばあちゃんが送ってくれる野菜と、
母が気まぐれに大量の食料をくれることがあり、それの兼ね合いで
自分が使いこなせるかどうかまったく自信がないと思った。


Rは、根津土産の金太郎飴をくれた。
おじいちゃんが1人で作っている飴だそうだ。
Mも私も、こういう偶然の顔が大好き。
すごい顔や、気に入った顔、悲しそうな顔や少し腹立たしい顔
などを探して見せ合った。
私にとって、こうして顔たちを共有できる友達は大切な友だちだ。


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今日は、豚肉と白菜を重ねて、紹興酒と少しの水で
蒸し煮にしたようなものを作った。
紹興酒があんまりいい匂いだったので、料理中に
お猪口に一杯きゅっといただいた。
腹から温まった。