ティーティ=ウー

この間、ダッフルさんの実家に遊びに行った。
遅くなった父の日のプレゼントに、ダッフルお父さんに靴下をあげた。
そして、お中元のそうめん。
(ダッフル両親からいただいたお中元(お魚)は、
 この時点でもうすべて食べ終わっていた。)
そして、たねやの稚鮎。私も食べたい。


ダッフル両親は、6月にペルー旅行に行ってきたところで、
そのお話をたくさんきけて楽しかった。
大雨で延期が続いていた旅行で、やっと行けたようで良かった。
念願のマチュピチュで、思いがけず現地の小学校を見学して、
子どもたちの前で黒板に名前の漢字を書いたりして楽しかったそうだ。
本当の名前は難しいから、「太郎」に変えて書いたという。
いい話だ。
あの地上絵も見たという。
行ってみたい気持ちでいっぱいに。


ご飯のときに、出してくれたシャンパンをダッフルさんがあけたら、
コルクが天井にあたって床にあたって、すごい勢いで消えた。
その一部始終を、ダッフルお父さんもお母さんも別の部屋にいて
見ていないときだったので、ダッフルさんが何事もなかったように
しれっとしていたのが面白かった。


ダッフルお父さんの作ってくれたジャガイモの和え物
(さいの目に切ったジャガイモをかために茹でて、刻んだしその葉と
梅ぼし、おしょう油とみりんで味付けしたもの。おいしかった・・・)
や、ダッフルお母さんお手製の鮭のホイル包み焼き、茄子とピーマン
の味噌いためなど、今思い出してもじゅるる(くもみ)のおいしさ。
ペルーで買ったという、どでかいコーンを乾燥させたものもいただく。


いろいろたくさん話せて、とても楽しかった。
だんだん、慣れてくるというよりも「父親と母親」というように
思えてくる気がする。少し甘えの気持ちが垣間見えて。
不思議なものだ。
ダッフルお父さんの漬けたらっきょうを大量にいただいて帰る。


帰りに、アルパカの毛でできたマフラーをお土産にいただく。
ダッフルさんは黒、私はいろんな濃淡のブルーに染まった毛を
使ったもの。とてもやわらかくて、気持ちがいい。
アルパカが好きなので、とても嬉しかった。
前に無印のアルパカセーターを着て行ったことがあるので、
買ってきてくれたのだった。


アルパカと言えば、旅行先でどんなものを食べたか質問したとき、
ダッフル両親の顔が急に曇り、目を見合わせて「・・・」となり、
ダッフルお母さんが
「・・・言ったら・・・ショックを受けるかもしれないわ・・・」
と言い、よし、思い切っていうぞという表情でダッフルお父さんが
きっぱり
「アルパカ料理というのがあってね!」
と言っていたのが最高に面白くて、最高にほんわかした出来事だった。
鶏肉系のさっぱり味とのことだった。

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親といえば、今日駅から家へ帰る途中(スーパーから出たところ)で、
自分が思い切り声に出して歌っているのにはたと気づいた。
そして、自分の母親も、小さかった私を乗せた自転車をこぎながら
よく本域で歌っていたことを思い出した。
「わかるわかる! 歌っちゃう!」
と思った。
だんだんと、自分と同じくらいだった母の気持ちがその都度わかる
ようになる気がする。
これから、私が小学生のころの母、私が中学生のころの母、私が高校生のころの母・・・
というように、いろんな母の気持ちがわかっていく瞬間があるのだと思う。
でもそれは必ず、リアルタイムじゃないんだな、追っていくだけで
一緒にはわかれないんだな、
それが親子というものなんだな・・・と思いながら、レジ袋から
ネギをのぞかせて帰った。

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夜、ふと思い出して『ムーミン谷の仲間たち』の中の
「春のしらべ」というお話を読む。
スナフキンとはい虫のお話。


最近久しぶりに読み返していたよしもとばななの日記にも書いてあったが、
「人にしたことはそのまま自分にしたことと同じだ」
「どんな気持ちも絶対に自分に返ってくる」
とはこういうことなのかな、同じこと書いてあるのかもと思った。

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この間、すごくたのしかった夜に、家でレモン酒を飲んだ。
毎年恒例で梅酒を漬けたときに、ダッフルさんの発案で一緒に
漬けてみたレモン酒。梅酒より飲み頃が早いだろうというので
味見してみたら、おいしかったのと、たのしかったのとで、
飲みすぎて次の日午後までお酒が残っていてひどい目にあった。


でもこれから楽しみ。
ダッフルさんは、来年はアボカド酒を漬けようと言っているが
これいかに。