さよならだけど、さよならじゃない
- 作者: 池内紀
- 出版社/メーカー: 幻戯書房
- 発売日: 2003/08
- メディア: 単行本
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この間実家から持ち帰ってきたこの本を、
ひさしぶりに読み返している。
大学生のときに、バイト先の本屋で買ったものだ。
山の雑誌「アルプ」(帯には『伝説の山の文芸誌』とある)に
掲載された作品の中から、池内紀氏が選んだ33篇。
そのどれもに無駄がぜんぜんなく、それなのにユーモアがあって、
悲しみがあって、それってどういうことなんだろうと思わせられる。
自然や山のこと、昔から続いていた人々の暮らしのこと、
それが語られて、文明批判を帯びていても、
そこには豊かな自然や厳しい自然の大きな景色があって、
いろんな色が見えてきて、
ただ心が痛くなったり、昔に思いを馳せるだけではない。
そして何より、本の中が無音だという気がする。
普段の生活、それはこの本を開く瞬間まで続くすべての時間には
絶対に味わえない感覚で、この贅沢な本を楽しめる。
でも、自分の知らない土地の地形や景色や植物群の描写などの
文章は、なぜか読んでいてもまったく頭に入ってこないときと、
逆に読むごとにどんどん視界がひらけてきて、言葉が瞬時に目の前で
景色に変わっていくときとがあるのは、どうしてなんだろう。
だからなかなかゆっくりしか読めないけど、この本があってくれるだけで
うれしいから、やっぱりそれはとても贅沢だと思う。
ちなみに、私はいちばん最初に載っている、庄野英二さんの
「三種の宝器」
という作品がいちばん好きだ。短い文章だけれど、これを読むと、
必要なものが何もかも揃ったときのような、心が丈夫になった感じがする。
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昨日は友人MとRと、いつものもんじゃ屋さんで
たくさんおしゃべりをした。
Rはとにかく恋する乙女で、好きな人のことを
たくさん話してくれたので、こちらも嬉しかった。
Mは結婚に向けて、先方の家族に会ったという話。
いろいろ悩みもあるみたいだけど、笑って話せてよかった。
うまくいってほしい。
そのあと、店をかえてコーヒーを飲みながらまた喋る。
Rが京都に行ったといって写真をたくさん見せてくれた。
また3人で京都に行きたいねと話す。
楽しくお喋りしすぎて気が大きくなり、終電ぎりぎりで
帰った。間に合わなければ実家に帰ればいいのだが、間に合って帰ってきた。
ダッフルさんに、事細かに今日楽しかったと言う話をする。
ダッフルさんが根気よく(?)楽しそうに話をきいてくれたので良かった。
こういう夜は、楽しさがホッカイロの熱のようによく持続する。
それにしても楽しくて、長いこと使った折り畳み傘を
置き忘れてきたのであった。
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大好きなラミーとバッカス。
スーパーに行ったら、キャンペーンの応募ハガキが置いてあって、
「さよならラミー&バッカスセール」係宛てになっていたので、
何事か!?と驚いて、久々に購入した。
「ラミー」もしくは「バッカス」の思い出を教えてください
と、自由に記入できるスペースもそのハガキにはあり、
まるで生産中止になるような気配。
心配でたまらなくて、ネットで検索してみても、そんな感じはない。
ただ単に、冬季限定だから来年の冬までさようなら! という
ことだったのだろうか。よくわからなかった。
でも来年の冬もぜひ食べたい。
以前勤めていた会社で、仕事中によく食べた。
お酒を飲みながら仕事をしている無頼(?)な気分を
味わえたものだった。
バッカスは、高尾山で登山中のおやつにしたこともあった。
真冬だったので、とてもあたたまり、ホッとしたことも覚えている。
これからもよろしく、そういう気持ちだ。
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昨日の午前中は、産婦人科で先月受けた子宮がん検診(区の無料のもの)
の結果をききにいき、待っている間本をたくさん読んだ。
(なんせ2時間近く待ったものだから。)
庄野さんの「けい子ちゃんのゆかた」では、後半に
コゲラがたくさん出てくる。
「体に横じまのあるコゲラさん」という描写を覚えるほどで、
登場するたびに、私も幹をゆっくりと登るコゲラさんを見てみたい、と思う。
待合室で、待っている女性たち(それも根気よく)に愛想をふりまく
とてもかわいい女の子がいて、みんな戸惑いながらもニコニコして対応していた。
笑顔が本当にかわいかった。
予防注射かなにかで小児科に訪れていたみたいで、
その子が診察室に入ったら、何かに裏切られたときに人が発するような
大きな叫び声と、続いて泣き声が聞こえてきて、気の毒だった。
待合室に帰ってきた母子。女の子はまだ相当泣いていたけど、
お母さんが
「もう終わったよ。もう痛いのないよ。えらかったね」
と言っていて、たぶんそれはたくさんのお母さんが言う言葉なんだろうけど、
すごい言葉だなあと思った。いちばんいい言葉の集まりだなあと思った。