結婚式について

もうすぐ結婚式から1年経つ。


結婚式について、日記に残していなかったなあ・・・
と思い続けて1年間経った、ということでもある。
この節目に、結婚式のことを思い返して、
書いてみてもいいじゃないかという気がしている。
この言葉をここで使うしかないという気もしている。
「いまさらだが。」



以下、とても長い。

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2009年2月に、品川の神社とホテル内の小さなレストランで
結婚式・披露宴をひらいた。


当日は、緊張しながらも朝風呂につかり、
「新郎」に洗面所から歯磨き粉をとってもらい、お風呂で歯磨き。
歯磨き粉を買っていなかったが、洗面所で見つけたといって
とってもらった歯磨き粉をつけて磨いた。

いつもと違う味だなあと思いながら磨いたら、洗顔クリームだった・・・
という、心癒されるひとときを過ごして、磨きなおす。
言葉にあらわせない味であった。
(ちなみに新郎も同じルートをたどって歯を磨いた。)


玄関口で写真を撮って出る。
新郎はもちろん、私はほとんどノーメイクである。スースーした。
白いコートと、グレーのワンピースを着て出る。
ウェディングドレスは着ないので、せめて白いものをという気で
買ってもらったコートであった。



結婚式場に向かう途中で、友人や受付をしてくれる人から
携帯にいくつかメールをもらい、勇気づけられる。


披露宴をするレストランのあるホテルに行くと、
すでにダッフルお父さんお母さん着いている。
恐縮して挨拶。


美容室でヘアメイクと着付け。
ブーケと、髪につける生花のヘッドドレスは、
西荻窪にある「La hortensia azul」というお店でお願いしていた。
すでにお花が届いていて、担当の美容師さんが
「きれいですね〜」
と言って見せてくれた。
いくつかの希望だけを伝えてあった(私の父親の故郷、新潟県五泉市の名物である
チューリップをつかって欲しいということなど)だけなのだが、
着物に合う色合いと、私の好きな感じに見事に作ってあって、
その可愛らしさと良い香りにとても嬉しくなり、ずいぶんリラックスできた。
(式中も、良い香りに癒されていた)
ヘッドドレスは、とても素朴でかわいらしかった。
お花の力と、作ってくださった平松美加さんに敬服したひと時であった。
メッセージカードも入っていて、本当に嬉しかった。

 



ちなみに披露宴会場の装花は会場指定のお花屋さんにお願いしていたのだが、
こちらにもチューリップを中心に飾り付けをしてもらった。
新潟のおじいちゃんには出席してもらえなかったので(高齢のため)、
父には喜んでもらえたのではないかと思う。


衣装は、黒引きの振袖。
着付けはあっという間であった。さすがだと思った。
(全体の柄の色合いもほんわかした感じで、
帯締め等は明るい緑色という、ちょっと不思議な色合い。
でも、「着物の結婚式って考えてなかったけど、良い」
と言ってくれた人たちがいてとても嬉しかった。)
椅子に座って、頭に生花をつけてもらう。
「La hortensia azul」さんの用意してくれたお花がかわいくて、
美容師さんと「かわいいですね〜」「全部つけたいですね〜」と言って和む。


 


ヘアメイクをしてもらっている間、隣りの部屋から
同じくヘアメイクしてもらっている母のはしゃぎ声が聞こえてきた。
ダッフルお母さんも、うちの母も留袖。
どちらの留袖も、なぜかうちの父が貸衣装屋でチョイスしたものであった。
ダッフルお母さんは留袖を持っていたが、若いときに買ったもので
柄が若いから・・・ということで、借りていた。
バッグは、お婆様にもらったものだということで素敵だった。


支度が整い、家族が揃ってタクシーで式をあげる品川神社へ。
ここで結婚式をあげることが決まってから、タモリ倶楽部狛犬特集の回
のときにこの神社でロケを行っているのを見て、ダッフルさんと肩を組み合って
喜んで見たものだ。
ブラタモリの品川の回でも品川神社に行っていた。このときも肩を組んでみた)


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この神社は、よく私がまだ実家にいたころ、電車からよく眺めていた神社で、
こんもりした緑多い高台にあり、「なんだろう」と思っていたところ。
歴史ある神社らしく、結婚式の予約をしに行くときに初めて訪れ、
以来気に入って、初詣には必ず訪れている。ほのぼのできる素朴な、
でもきれいな神社である。
実家に帰る電車の窓から必ず見える、という点も気に入っている。
(今も実家に帰る日は、神社が見える方向の座席に座っている)

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(神社で式をあげるというのは、思いつきであったが、良かったと思っている。
なんとなく、教会より神前のほうが、ドレスより着物のほうが、自分に合っていて
安心できるんじゃないかなあ・・・ということと、自分の生まれた国の形で
やるのもいいなあということ。そして神前でやるなら、本当の神社で、しかも
普通に街の中にあって、散歩がてらお参りとかに来る人がいるような神社で
やるのが面白いなあ・・・というような推移であった。)

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畳敷きの控え室で待機していると、友人たちが来てくれる。
私のほうはMとRの2人。
ダッフルさんのほうは、大学時代の大切な友人とその家族数名。
照れあいながら挨拶する。そして外で記念撮影。
式次第の説明は、直前に宮司さんよりしていただく。
歌うように説明してくれた。
一生懸命覚えようとするが、気が動転して上の空。


そして始まる。
参道を、参列者で歩く。
先頭には、笙を奏でる宮司さん。


ダッフルさんの祝詞の読み上げや、指輪交換や、
両父の参拝や、三々九度や、ドキドキたくさんだがなんとか終わった。
上の空で説明をきいていただけあって、三々九度のときにぼーっとしていて
巫女さんに次第を耳打ちされたりする。
お神酒が本当においしくて、寒い日だったのだが、体が温まった。
口をつけるだけでもいいと言われていたが、2人ともきれいに飲み干した。
あのおいしさは、今でも夫婦の間で語り草になっている。
(そのときに使った杯は、お菓子などと一緒にお祝いに神社でもらえた。)
結婚指輪の交換に使うリングピローは、手作りキッドを使って
うちの母が作ってくれたものであった。感謝。


 




タクシーで披露宴会場まで戻る。
ダッフルさんの弟さんがいろいろ立ち働いてくれて助かった。


控え室で双方の親戚に会い、挨拶。
簡単な家族紹介を行い、写真撮影をし、ヘッドドレスを変更し(着物の柄の色味を増やしたお花)、
披露宴会場へ。
池のあるお庭つきの小さな小さなレストラン。
小さいことと、窓から緑が見えることで、すぐに決めてしまった。
お庭で、今度は友人たちと記念撮影。
モチコ姉が作ってくれたウェルカムボード。嬉しくてかわいかった。
各席には、席札も兼ねた、小さな冊子を置いておいた。
ダッフルさんと手作りしたもの。その表紙に、姉がコラージュして作った
イラストを貼り付けた。人によって違うデザイン。
お料理もケーキも、とても喜んでもらえたようでよかった。


  




式は本当にあっという間に終わってしまった。
お色直しもせず、本当にシンプルな式だったと思う。
ダッフルさんの叔父の乾杯の挨拶と、ダッフルさんの友人2人のスピーチ。
猫顔(3歳違いの上司)のスピーチ(いつもと違う前髪と、ものすごくがっしり握ったメモ帳と、
いつもはありえないあたたかい褒め言葉と、いままでの時間に涙)と、
MとRのスピーチ(ただただ涙)。
ダッフルさんが肉を焼いた。
そして、私だけまったく知らされていなかったモチコ父の手品。
(父は手品が趣味。当日まで披露する予定はなかったが、当日ダッフルお父さんの
 発言一つで、披露することになったらしい。朝、モチコ父とモチコ姉とで、
 あわててチラシで紙ふぶきを作ったらしい。ちなみにこの手品がいちばんの大好評で、
 友人からもらった写真データには、ダッフルさんの肉焼きと、父の手品の写真が大半を占める)
そして私の手紙朗読。
ブーケは、帰り際に姉にプレゼントした。


人前に出ることが極度に苦手な私は、結婚式をするなどということは
まったく思っても見なかったことであったが、やってみたら、
本当に感謝の一言の1日であった。
「感謝する」というためだけに、この1日があるのだということを知った気がする。
私と同じように、結婚式や披露宴に不安を抱えている人に、
そのことを伝えたいと思う・・・。


二次会はしなかったのだが、帰りにレストランで大急ぎでワインと肉を食べ、
電話に応じてMとRとお茶し、私の会社仲間たちの集うところへ行き、楽しんで帰った。
帰りは、普通に2人で家に帰った。
普通に家にいるのが不思議な1日であったが、疲れてはてていたのか、
すぐに健康的に寝た2人であった。

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今思うと、臆病なわりに、本当によくやったなあと思う。
それから、大学を卒業してから昨年まで勤めていた(結婚して3ヶ月してから辞めた)
会社の、大好きな人たちと、長い付き合いの友人とにかこまれて披露宴をあげられた
というのは本当に良かったなあと思っている。
親族と友人と、全部で40数名の小さな式だったけれど、あげてよかったと
思えているから不思議なことだ。


今となると、あとから情報を見てみて、
こんな式場あるんだ、こんなかわいいドレスあるんだ、
とかいろいろ思うが、後悔すると言うのは、そのときにいろいろ頑張って、
初めてのことや、普段やらないことを頑張ってやっていた自分に対して
少し失礼な気がするので、思わないことにしている。


何より、ダッフルさんが式後しばらくの間、


「ああ楽しかったなあ! もう1回やってもいいなあ!」


と言い続けていたことが、何よりよかったと思う。


以上長くなったが、式の思い出と記録だ。
意外と覚えているものだ。
今でも酔っ払ったりすると、よくそのときの写真や動画(友人達が撮ってくれたもの)
を見たりする。今より痩せているので、見がいがある。


ヘッドドレスのお花は、しばらく飾っていた。