ありがとう

庭のつるばら (新潮文庫)

庭のつるばら (新潮文庫)

やっぱり結局、独身最後に読んでいた本はこちらであった。
あらためて、日々の暮らしを楽しむことへの親しみがわく。
何かをいとしく思って、小さなことに思いを馳せることに対して、
ふと「わくわく」してたまらなくなってくる。
そういう気持ちを思い出させてくれた。
庄野さんの本は、本当に魔法で、いつでもそこにいる
不思議な私の宝物だ。
これからの人生の、教科書にしたい。


独身最後のできごとについて、つづき。


●Aちゃんと彼との会合(11月8日)


幼馴染で、隣りの隣りに住んでいたAちゃんと久しぶりに食事。
大学生のころよく行っていた実家近くのお店で。
最近の仕事の話などをよくきく。
中学校の先生をしているAちゃんに、自分が担任をしているクラスの
写真を見せてもらった。どの子もみんな可愛い。
自分が中学生の頃はちっともそう思わなかったけど、中学生もみんな可愛いな。


私がたまたま持っていた、私とAちゃんが1歳くらいの写真を見て
盛り上がった。ダッフルさんの小さい頃の写真も見せた。


途中で、Aちゃんの彼氏が来てくれて、3人でおしゃべり。
高校の同級生だけれど、今年付き合い始めたという2人は、
なんとなくまだ初々しくてとても素敵だった。キュンとなる感じ。
話していても、ニコニコしてしまった。
2人ともそれぞれのペースを持っていて、なんとなくのんびりしていて、
それを2人ともお互い好もしく思って
尊重しあっている感じがした。これからも仲良くしてほしい。
素敵な時間をありがとう!


お店を出るとき、3人で写真を撮る。
女性にプレゼントしているんですと、お店から可愛いお花の鉢植えを
もらえたのでうれしかった。




●独身最後のお泊り会と、白州邸 (11月29日・30日)


入籍前の最後の週末に、金曜から背番号30番女史の家に
泊まりに行く。タコライス女史も一緒。
夜遅くまでワインを飲みながらおしゃべりして楽しかった。
背番号30番女史の育てたパクチーをつまみながら。おいしかったなあ。


2人とも、本当によくしてくれる素敵なお友達だ。
入社した頃は、この2人は憧れで、こんなふうに遊んだりお泊り会を
できるようになるとは思わなかった。本当に不思議だ。


まだ日記に書けていなかったけれど、背番号30番女史の飼っていた
2匹のわんこのうち、1匹がこの夏、事故で亡くなった。
みんなこのわんこのことが本当に大好きで、大好きで、大好きだったので、
そのことが本当に不思議でしかたがない。
とてもとても悲しいけれど、みんなで背番号30番女史と一緒にいて
支えあったあの日のことは、一生忘れない。


3人でこの日、やっとWiiでそのわんこの写真を見た。
みんなで泣きながら見た。


眠い目をこすりながらも、夜遅くまでお喋りし、
タツでそのまま寝てしまう、そんなあったかい夜であった。



翌日は、最高のブランチ。
温めるだけのピザに、黒オリーブと、
背番号30番女史の育てたパクチーと万能ネギを
たくさんのせて食べた。これがおいしいのなんのって!!!
タコライス女史と身もだえしながら食べた。また食べたいなあ・・・。



その後、背番号30番女史の彼が合流して、車で鶴川にある「旧白州邸・武相荘」へ。
背番号30番女史の彼がずっと行きたがっていたところ、とのことだったが、
本当に本当に素敵だった!! 心がしんとなって、みんなで
それぞれ写真を撮ったり、お庭をながめたり、展示を見たりして、みんなで白州次郎のとりこに。
本当に素敵なところだったし、ここで過ごした秋のひとときはうつくしいなあと感じた。
ちょうど西日がぽかぽかあたる頃で、金色の中みんなでお庭を歩いた。のんびりっていいなあ。


また行きたいね、夏にも来たいね、と話す。


  
  
  
  


その後、猫顔上司も合流して、2台の車でイケアへ。
私は初イケアであった・・・。興奮した。もみの木がごろごろと並べられて売られていた。
カップル2組と行動し、なんとなくダッフルさんに会いたくなる。


ららぽーとムーミンショップにも行けてうれしかった。
ジブリのショップで、タコライス女史はラピュタのネックレスを
猫顔上司にせがんで買ってもらっていた。クリスマスプレゼントだそうだ。
本当にうれしそうだった。私もほしい。



その後はなんと焼肉をごちそうしてもらい、背番号30番女史の彼の車で
家の前まで送ってもらうという特別待遇を受けたのであった。
何から何まで本当に感謝だった。ありがたい・・・ありがとう・・・。
結婚って・・・すごいことなんだな・・・。



●独身最後の飲み会 (12月4日)


お泊り会に来る予定だったけれど、風邪や用事で来られなくなった
チャゲアス女史と尻高女史と、そして背番号30番女史とタコライス女史で、
ご飯を食べに行った。私のお祝いということで本当に恐縮だ。
ひさしぶりに会った尻高女史と、わいわい楽しく話す。
会社を辞めて大学に入って10ヶ月近く経った尻高女子。
あのころと変わらないようでいて、ちょっとずつ違う雰囲気になるところが
いつもさびしいようなうれしいような、である。いつまでも友達でいてほしい!
尻高女史は、ダッフルさんと私がお付き合いをする前からずっと見守ってくれていた
人なので、感謝もひとしおだ。少し泣きそうになった。


またごちそうしてもらい、帰る。恐縮である。



●独身最後の出社 (12月5日)


自分に言い聞かせるように、
「独身最後の○○、独身最後の△曜日」
とか思ってみるけれど、本当にふわふわして実感がわかない。
今日も働きながら
「5年近く働いてきたけれど、独身の自分として出社するのは最後なんだなあ」
と思ってみたけれど、やっぱりいまいちまだピンとこなかった。


いろんな人に
「もう▲▲さんって呼ばれないんだね、□□さんなんだね!」
と新しい苗字で言われたが、本当に不思議な感じだった。



お昼休みに、みんなから花をもらった!
このときばかりはジーンときて泣きそうになってしまった。
こんなきれいな花を自分がもらう日が来るなんて・・・。
他部署にうつったタコライス女史も、今日は一緒にご飯を食べに遊びに来てくれた。
ありがとう。



夜はまたしてもタコライス女史、背番号30番女史、チャゲアス女史で
お茶をして帰る。


背番号30番女史がお手紙をくれたのだが、その中に
わんこが亡くなってからずっと会社の机に飾っていたそのわんこの写真が
入っていたので、胸がいっぱいになった。
宝物にする!


家に帰って、ダッフルさんのお母さんがくれたおいしい日本酒「日本城」と、
生牡蠣(ダッフルさんが買ってきてくれた)を食べる。
もしも牡蠣があたって、あんなにお祝いしてもらったのに
明日婚姻届出せなかったら大変だね・・・と言いつつ、やっぱりおいしかった。


ダッフルさんも今日は会社でいろいろな人に声をかけられたそうだ。
「今夜で本当に独身が最後だね。どう思う」
ときいてみたら、
「まだ実感がわかない。結婚式の前日とか、もしくは明日の夜とかになって
 はじめて少し実感がわくかも」
と言っていた。
「私もそう思う」
と言って、ほっこりした。


明日は朝早く起きるからね、昼まで寝てるの禁止、
と注意されながら、夜遅くまでタラタラと日記を書いているモチコであった。
独身最後の夜が終わる。