鱈とそして鴨川旅行

3月、ダッフルさんの誕生日がちょうど土曜日だったので、
お休みを利用して温泉旅行をプレゼントした。


行き先は、千葉・房総半島のいちばん下のさきっちょ、鴨川。
何のあてもなくネットでたまたま決めたのだけれど、
春の房総半島はちょうど観光シーズンで、菜の花もきれいだし
観光客で賑わっていた。
外房線特急の「わかしお」で行った。これが楽しかった。


旅行自体も楽しかったのだけれど、行く前の2週間くらい
ダッフルさんが「楽しみだなあ、旅行」と言い続けていたので、
本当によかったなあ、と当日になる前から思っていた。


鴨川シーワールドに初めて行った。
千葉出身の何卒女史に「大人になってから行ってもすごく楽しめる」
と言われていたとおり、本当に楽しかった。
ダッフルさんと、もう覚えきれないくらいけっこういろいろな
水族館に行ったけれど、ここはそれでもかなり面白いところだった。
特にマンボウは本当にすごい。ずっと見ていても飽きることがない。


チケットを買う前に、家族連れのお父さんに
「チケットあげるよ!」
と声をかけられて、無料で入場できるチケットをいただけたので、
ダッフルさんと飛び上がって喜んだ。得をした。


イルカのショーを見る。
客席の前はプールで、後ろが海。
本当にすぐ後ろが海。
どっちを見ていいのかわからないくらいだった。


海は本当にいい。
泳ぎはしないけど、見ているだけだったら本当に
いくらでも見ていられる。
そのとき忙しくなり始めていたり、長引いた風邪がやっと治ったあとの
二人だったので、のんびり海を見られて良かったと思った。
もうすぐ尻高女史とお別れするのもあり、仕事のこともあり、
ちょっとしんみりしながら見ていた。


温泉宿に行って、ダッフルさんはお風呂へ、私は昼寝。
この旅のために二人とも本を1冊ずつ持って行ったのだが、
結局ほとんど読まなかった。
目覚めたら、喉が痛くなって、寒気。
嫌な予感で、風邪がぶり返していた。


夕食は、今日のメインイベント。
これこそダッフルさんへのプレゼントで、新鮮なお魚料理。
鯛のお刺身(丸ごと一尾)、伊勢海老、アワビ、カニ
ホタテ、その他いろいろ・・・
いちばんおいしかったのが、金目鯛の煮付け。
ちょうど旬だということで、本当においしかった。
満腹になる。


温泉に入ったら、ちょうどいい位置に月が見えて、満月。
昔話のアニメに出てきそうな、形のいい山の真上にぽっかりの月。
飛行機も見えたし、なかなかいい眺めで気持ちが良かった。


次の日は、体調が悪化。咳が止まらない。
でも海を見たり、鋸山のロープウエイに乗ったりして遊んだ。
(頂上に猫が住んでいて、その猫が具合が悪そうで、鼻水をたらして
 うとうとしていたのがかわいそうだったのを覚えている。
 なんとなく自分に照らし合わせて、何分か一緒にすごした。)


帰りは、内房からフェリーで久里浜まで移動して、京急に乗って、
乗り換えて帰ってきた。早めの帰宅で、夕ご飯は家で作って食べた。
夜は普通の生活になって、明日の仕事に備えているのが不思議だった。
いつもと違うことが生活の中に入っても、またいつもの毎日に戻っていける。
しかも思い出として残るなんて、とても幸せなことだなと思った。