花が咲いているよ

イルカ

イルカ

私はこの本、帯が緑色のものを買いました。
緑色の帯の下に、通常のピンク色の帯が巻かれていて不思議だった。


久しぶりによしもとばななの本を読んだけれど、本当に自分は
ここ何ヶ月も、体のことを考えていなかったなあと思った。
昼間は仕事のこと、夜は自分の楽しみのことで、毎日が同じように過ぎて
いくことがなによりの安心事。
そのときそのときのワクワクする食べ物や遊びで満足した。


よしもとばななのこの本を読んでいたら、もっと体の声をきいていいし、
体のことを考えていいし、もっとその声に従っていいんだ、ということを思った。
こういうことって今言う人も多いし、こういう概念を持とうとしている人も
いっぱいるけど、考えているよりもずっと簡単に忘れてしまう。
仕事がうまくいけば、人との関係がうまくいけば、その場の雰囲気ややりとりがうまくいけば、
そのときそのときで、障害物を避けるように、針と糸で布に縫い目を付けるように
うまくやりぬけばいいと思う。
それが終わったら、あとはとても力が抜けて、細かいことはどうでもいい。
小さな楽しみを楽しんで、眠くなったら明日に備えて早く寝る。


そういうことが続くと、簡単に体のことを忘れる。
深く考えることがなくて、失敗しなければよくて、見たもののことだけを考える。
体のことは、意外なほど簡単に忘れてしまう。
そんなことを思った。




ところでこの間書いた日記は、京急のことでやたら熱くなっていて
どうしたのだろうと自分で思った。
でもとにかく、休日に京急の普通電車に揺られて、
しかもくるりの「赤い電車」を聴いたりすると、ノスタルジックな気分になるし
誇らしい気分になるので好きだ。


今日は実家に帰ってきて、父と母とで夕ご飯を食べながら
スケートを見た。
私がいいと言っていたフィンランドの選手が、今日の時点で1位になっていた。
母といろいろ言い合いながら見るのが好きだ。
顔がかわいいとか衣装がどうのとか、いろいろ言い合って見る。
中野由香里さんはかわいいとか、真央さん緊張してしまっている・・・!
やっぱり上手だね、とか、見てて気持ちがいい、
とかそういう、好き勝手なことを。


ところでさっき、実家でお菓子入れとして使われていた葉っぱの形の器を、
掛け布団にひっかけて落としてしまい、割ってしまってしょんぼりした。
お皿を割るというのはかなりよくやる失敗なのだが、いつも見ると
「あ」
と思って、心がしんとなる。
そのあと、もうこのお皿戻らないんだなあ・・・と思って、その食器の思い出が
次々に頭の中によぎる。


その葉っぱのお皿も、牛肉とセロリの混ぜご飯を作ったときに
使ったなあ、最近はお菓子入れとしてちょうど良くりっぱに働いてくれたなあと
思って、しんとなった。
ごめんなさいだ。


もっと慎重にしよう。



今日は夕方のエレクトーンに合わせて実家に来て、ちょっと練習した。
そのとき、実家に住んでいたときのことをとてもよく思い出した。
以前はよくそうして、レッスン時間ぎりぎりまで家で練習をしていた。
(まじめなのではなく、それまで全然練習していなかったので焦っていた。)


思い出したというより、ちょっと錯覚した。そうして前の生活を送っている自分を。
あたりまえだけど、実家に暮らしていた時間のほうがずっと長かったから、すぐにでも
感覚を取り戻せてしまう。


家を出てから、もうすぐ1年。
家を探して、今住んでいる街にふらっと来た頃から1年。
同じような景色になった。
1年を通して全部の季節の景色を見たから、やっと親しくなった気がする。


今日は、エレクトーンに行くとき父の実家(新潟)から送られてきた梨と柿を持っていった。
喜んでもらえてよかった。


この間、またダッフルさんと川の土手に散歩に行った。
夕方日が暮れてから行ったので、照明のない土手は真っ暗闇だった。
だんだん目が慣れてきたら、山が見えて、富士山だと教わって興奮した。
富士山ってやっぱりきれいだなあ。小さかったけど、大きく見えた。
とてもきれいな形。
そして大きな声で金八先生のいろんな歌を歌ったり、スピッツの「群青」を
踊りながら歌ったりしてけっこう歩いた。ダッフルさんは違う歌を歌っていた。
とても楽しかった。
土手はいい。とてもとても大好きだ。


それから、さっき最新の「通販生活」の中で、買いたいものとして
ページを折り曲げてあるものたちを1つ1つ紹介してくれた母の、
ページをめくる感じを見ていたら、小さい頃絵本を読んでくれたときのことを
わりと簡単に思い出せて、懐かしかった。
絵本を読んでもらうことで好きだったことは、そういう部分が大きい。
ページをめくるときの指の感じ、音、めくりかた、
声音、ひょうし、体の寄り添いかた。


そういうことは、もうどうしたって忘れない。
今の私の生活も、そういうことを増やしていきたい。
無意識の中でも、1つ1つを大切にして生活していこう。