冷めたコーヒー

あなたがうまれたひ (福音館の科学シリーズ)

あなたがうまれたひ (福音館の科学シリーズ)


娘が生まれて2ヶ月。
どんどん大きくなる。
お尻は重くなるし、ほっぺは丸く垂れ下がる。
寝顔が中村梅雀に見えるときがある。
同じ理由で、テレビで彼を見るとホッとするときがある。


実家から自宅に帰ってきて、3週間ほど過ぎた。
娘と1日、2人で一緒に過ごす。
その生活にも慣れた。
娘は気づいたら、退院して間もない頃、実家の母がよく物真似していた
ひょっとこみたいな顔をしなくなっている。
でも、あの頃よりも表情がぐんと増えた。
泣き声の種類も増えた。
お腹がすいたときとオムツが汚れたときは大声。
そのほかにも、いくつかの声で泣く。
甘えている声と、イライラしている声と、
この間はハンガーを床に落とした音に驚いて

「ウエーン」

という声で泣いていた。


首も、ぐらぐらしながらもだいぶしっかりしてきた。
縦に抱っこすると、顔をあげて私の顔を見るので、
「あ、こんにちはー」
とその度に挨拶するのが面白い。


いまだにベビーバスを使用しているのだが、
相変わらずお風呂はおとなしい。
お湯の中でウンチすることもたまにある。
洋服にウンチがついて、洗うこともしばしば。
洗濯の回数が増えた。
ウンチはほっとくとなかなか落ちない。
実家にいたとき、お風呂に入れるので脱がせているときに
洋服にウンチがついてしまったことがあり、それを見ていた母が
「フン染めだ・・・」
と言っていた。
その日はお風呂の中でもウンチをした。
フン染め日だった。


先日、ダッフルさんが泊まりで出張の週末に、
実家の母が泊まりに来てくれた。
赤ちゃんはやっとのことで眠らせても、
眠りが浅いとちょっとした音で起きてしまう、
だから洗濯物を干すときも、パンパン言うので皺をのばせなかった、
という話を母にきいて、
「わかるわかるー」
と頷いた。
赤ちゃんあるあるの話をした。
それにしても、母のする「赤ちゃん」の話は私や姉なわけで、
そう考えるととても不思議な気持ちになる。

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ダッフルさんが、岐阜に出張に行ったときに
お土産で鮎のお菓子を買ってきてくれた。
この和菓子は、東京では季節(初夏?)にしか見ないが、
岐阜の駅の売店でいろんな種類がバラで売られていたとのことで、
1つずついろんな鮎を買ってきてくれてうれしかった。
鮎の食べ比べをするのが夢だったので、叶った。
岐阜は、長良川などの鮎をモチーフにしたものがあるらしい。


毎日、1鮎を食べて楽しんだ4日間だった。
その間のおやつのネーミングは、「今日の鮎」。
写真にも収めた。
鮎のお菓子は、お店によって形や表情が全然違うので楽しい。


◆1日目の鮎

 


中身に餡子と求肥が入っていて美味しかった。
餡子だけ、求肥だけ、のパターンがあるが、
私はこの両方入りが好きだ。
表情もほのぼのしていてかわいい。


◆2日目の鮎

 


こちらは求肥だけ。
色が白めなのと、表情のシンプルさにキュンと来た。
つるんとした形もきれい。


◆3日めの鮎


 


ミニ。
一口サイズ。こちらも求肥だけ。
流し目がクール。


◆4日目の鮎


 


色が黒い。
顔は、口がへの字でちょっとムッとしている。
焼きすぎたか。
これも求肥のみ。


すべておいしかった。そして楽しめた。
ありがとう、ダッフルさんと鮎。

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■「あなたがうまれたひ」

冒頭に紹介した絵本は、出産後まだ入院中に、
お見舞いに来てくれたダッフルさんのお母さんがプレゼントして
くれたもの。ダッフルお母さんは、この絵本が大好きだとのこと。
その場で読もうとしたが、最初読んだだけで涙が出てきて、
確実に号泣するので
「あとで読みます」
と言ったのを覚えている。
そしてお母さんが帰った後、本当に泣いた。
その日は、ちょうど保育器から娘を出して、少しの間添い寝を
させてくれていたときにお母さんが来たのだった。
私はシャワーも浴びてなくて不潔だったが・・・
なんだか神々しい時間だったのを覚えている。
まだ本当に小さくて細い娘の横で、この絵本を読んで泣いた。


私もいつか、誰かにこの絵本をあげたい。


先日、ダッフルさんの両親が遊びに来てくれ、
ダッフルお父さんも娘を抱っこしてくれた。
「ずっしり重いよ」
とうれしそうに言ってくれた。
その日は最初から最後まで寝続けていた娘。
お父さんのお父さんに最初に抱かれたことを、
知らずにいるだろう。
私が覚えていよう。

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少しずつ、目の前の近いものを目で追うようになった娘。
今日は抱っこして台所に行き、洗ってあったマグカップ
見せて遊んだ。左右に目で追っていた。
赤くて派手だったので、文字どおり目を引いたのだと思う。
これは巨大なマグカップで、新卒で入った会社のすぐそばにあった
スタバで、なぜか心惹かれて昼休みに衝動買いしたのだった。


実家暮らしで、家に食器がいっぱいあるのに、
昼休みにマグカップを衝動買いしてしまう20代の私が、
あのとき確かにいたのだ。
娘は、そのマグカップを目で追う。
サックスのおじさんをよく見ていた。


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娘は、母親を認識しているのだろうか?
まだよくわからない。
この間は、あやしながら
「お母さんですよ、お母さんが抱っこをしていますよー」
と言っており、なんだか選挙カー
「本人がご挨拶しておりますよー」
のアナウンスみたいだなあと思った。
アピールしていきたい。


思いどおりに時が流れず、事が運ばず、
毎日があっという間に終わっていくが、
娘と1日一緒にいられる、こんな寒い冬の時期に、
目を覚ましたら娘がすぐ隣りで寝ている、
こういう日々は、神様がくれたすてきな贈り物だと思う。
娘に「ごめん」と謝りたくなることもたくさんある毎日だが、
心を落ち着けて、あったかく抱きしめていたい。


いれたのを忘れたり、飲みかけで放っておいて、
すっかり冷めてしまったノンカフェインのコーヒーを、
もう何度も飲んでいる。
それもまた、おいしい。


今の娘は、今だけの娘。
髪の毛も手足も、今だけの姿かたち。
覚えていよう。たくさんのこれからがあるから。


今週は初めての予防接種がある。


  


今日のフックブックローは、傑作くんの「シクラメンのかほり
に、ハートを持っていかれた・・・。見事。